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2005年10月21日

某映画に見る、やってはいけないカメラワーク

(2002/11初稿、2005リライト)

ある日、映画『冷静と情熱のあいだ』のTV放送があったので見てみました。

なんと主役の男の女性遍歴語りから始まりました。やっぱこう、とっかえひっかえなチョイワルの男の方がモテるって言いたいんですね!DTスピリッツ溢れる当方にはとても居心地の悪そうな映画です!でも頑張る。イタリアの街見たいし。

うはぁ、目が痛い!!!

こんなにカメラワークが酷い映画は初めてです。学生の頃TVニュースカメラマンと一緒に仕事をしてたので断言します。彼らの方がいい絵を撮れます!

映像において、スクリーンとかブラウン管は覗き窓のようなものです。視聴者はそこから別の世界を覗き込むわけで、従って視聴者が窓の向こうに見える何に注目するか、が大事になってきます。映像が視聴者の視線とシンクロできるかが、視聴者を映像の世界へ引き込むための一番のキモだと思います。

それらの点でこの映画は

  • 意味のない移動撮影が多すぎてどこを見ていいか分からない。浮遊霊の視点みたい
  • 静止した人物のアップを捉えると、何故か画面中央からずらす。思わず目が泳いてしまう
  • すごい望遠カット。アクセント程度なら良いのですが
  • すごいクレーン撮影
等々、ハッタリはすごいけど見ているほうとしては何だか実感の伴わないシーンのオンパレードでした。

これらは、スタッフが異国の情景を目一杯フィルムに焼き付けようと頑張ったら、視点が中途半端になっちゃったのでしょうか。とはいえプロの仕事としては問題外のカメラワークとカット割りでしょう。あれを観て、ちゃぶ台をひっくり返した映画関係者は絶対いるハズだ。

「ふつーの人はそんなの気にしてねーって」という感想をお持ちになる方もおられると思いますが、先に述べたとおりこれらは『無意識における感情移入度』に関わる事なので、観客にとっては大問題な事だと思うのです。(俳優が好きとか、自分の立場を登場人物に投影できる人なら面白そうですが。)

また、もしそれらの演出が適切に効果的に行われていたとしたら、単なるおデート用映画の枠を越えられたかも知れないのですよ。舞台や企画が良いだけに、個人的に非常に残念な映画でありました。

2005追記:

3年経って私もオトナになりましたので、間違いがあったらヤバイということでレンタルして再度観ました。

超おかしいよ!やっぱり!
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似てませんすみません。序盤、主人公二人が劇的に再会するシーン。なんでズーム方向が人物を向いてないんだよぅ。以降ヒロインの『中央ポジションずらし構図』が何カットも繰り返されるので、ミスではなく意図的だと思われます。

てかこれじゃ、「志村~!志村うしろ~!!」じゃないですか。

精一杯好意的に解釈すると、スタッフは静止画フレーム上のイメージに拘りすぎたんではないかなーと。実際一時停止するとカッコイイ絵なんですね。でも視覚力学的には支離滅裂になっちゃった、といった感じです。

ちなみにストーリーのほうですが、やっぱり私は噛ませ犬のほうに感情移入しちゃいますな。一途な人たちじゃないですか。

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