記事一覧 | ホーム »日記 »個別記事
« 完成しそうでしない/設計図を書く風林火山1話延長 »

2007年09月15日

ウソをウソとして楽しむ

友人に、とあるフェイク・ドキュメンタリー(後述)を紹介したところ、
「これのどこが面白いんすか」という返事が返ってきました。
さらに量子力学的インターネット回線(ウェブ66.6)を通じて
「こんな稚拙なフィルムを持ち上げるなんて(笑)その程度の審美眼ですか(笑)」という内容の
メールを受信したので心が折れる前に理論武装します。

フェイク・ドキュメンタリーとは
創作した出来事をさも本当のように語った映像作品などを指す。
そもそも創作=フェイクではあるが、
ここでは、ことさら真実であることを強調している、または観客を誘導しているものを指す。
疑似ドキュメンタリーとも言う。
例:『川口浩探検隊』、打ち切りに追い込まれたTVバラエティー
類義語:モンドムービー

件の番組ですが、

・ちょっと不謹慎な題材を
・良心的TVプログラムの代名詞であるドキュメンタリー番組を装い
・「フィクションです」のテロップを入れることなく(最後にやっと出る)
・地上波で堂々と放送する

という、手に持ったお茶をこぼしてしまいそうな知的興奮度MAXな企画だと
思うのですが、友人氏はそうでもなかったご様子。
ちなみに彼の名誉の為に言っておくと、彼はじゅうぶんな知性と教養を持ち
「洒落のわかる」人です。放送終了後に抗議の電話をかける人とは違います。

さて『ウソをウソとして楽しむ』という行為がそれほど普遍的なものではないと
今更ながら悟った為、その理由(私と彼の差)を考えてみました。


やっぱメディア体験の差なのかなぁ・・・。

自分語りをスキップする)不肖わたくし、かつてはオカルト少年でございました。
オカルト業界というのは、いわば全世界規模でのフェイクドキュメンタリーであり
またそういう時代だったのか、
ニュース番組や新聞までもが「報道として」そういう話題を取り上げており
一介の田舎少年にとっては、UFOにも心霊にも疑問を差し挟む余地が無かったのです。

ところがとある本(後述)を手にして「な、なんだってー」となり
以後は「どれだけ秀逸なウソか」
「ウソっぽく見せないようにしているウソ作者の奮闘」
を評価するという姿勢になり今に至ります。
おかげさまで、騙されていた頃も楽しかったけれど今も変わらず楽しいです。
別にミステル・ヤオイ氏を恨んではいないし、
フライングヒューマノイドも電信柱の宇宙人も最高に愉快です。


(自分語り終了)
結論を言うとこのトピックは、ユーモアへの許容度とかメディアリテラシーの度合いと
いったところに収束していくと思われます。
前者に関しては、日本人にはムリ!という諦めムードですが
後者はもうちょっと何とかならんかなぁと思ったりします。

(メディア)リテラシーの度合い一覧

<第1段階>無邪気に踊らされる
<第2段階a>権力者やマスメディアが常に正しいとは限らない
<第2段階b>マスゴミの言う事なんて嘘ばっかりじゃん
<第3段階>騙すなら、素敵に騙して(by 悪徳商法?マニアックス)

もちろん第3段階に達した奴がエラいという訳ではなく
(廃人度が高いという意味ではエラい)
第1段階にいる人のほうが幸せな人生を送れるのは確実です。

それにしても、やっぱり個人個人が劇的な経験を経ないと
第3段階に進むのは難しいのかなぁ・・・。

なお現在では、マスメディアとネット世論の乖離が激しくなったりして
一見リテラシーの度合いは高まっているようには見えます。
しかしネットの住民は既存メディアの論調を攻撃する一方で
自分側の世論(不特定多数によって醸成された結論、空気)に対し
自己批判の度合いが低い気がします。

話は逸れますが、電車男騒動って何だったんですかね。
ちなみに私は上記の脱・騙されの件から進歩していなかった自分を恥じています。
参考サイト: 電車男の時刻表(ミラーサイト)

なのでリテラシー教育を普及させるとか、
リテラシーを高めるための意図的な処方をする必要があると思われます。
(意欲的な教育現場では既に始まっているようです。)

とここまで書いたあと、上記の第3段階を見て気づきました。

おっ、・・・これはプロレスファンの精神状態と似ているのでは?

ということは、
結局リテラシー第3段階というのは人類の目指すべき第3の選択ではなく
単なる娯楽の一形態に過ぎないってことなんですかね。

うわー。オレは痛いヤツだ。

やっぱり、以後は面と向かってこの作品を推すのは止めよう。

放送禁止 DVD封印BOX
心霊

B000G1T47S
ポニーキャニオン 2006-08-25
売り上げランキング : 23167
おすすめ平均 star

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

ここまで念を入れて語ったので、見たけどつまらなかった、とか言わないで下さい。
多分貴方の感想は正しいですが、私とは見ている箇所が違います。

UFOの嘘
志水 一夫

4924442976
データハウス 1990-11
売り上げランキング : 190941

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

絶版・ユーズド商品のみ。
オビの文句は「矢追さん、本当のことを言おうよ」
名著ですが具体的事例を元に論評するというスタイルなので
MJ-12世代というかUFOブームを体験した人でないとピンと来ないかもしれません。
ビリーバーを上から見下ろして笑うというのではなく
「真面目な研究を妨げるので、嘘をばらまくのは良くない」という趣旨で書かれています。

[△TOP][記事一覧][ホーム]

コメント

□ 千本

こちらでは、お初です。
映画においては、用語「モキュメンタリー」として確立している
手法ですね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%83%BC

ヘヴィメタバンド「スパイナル・タップ」は、いわゆる嘘から出た
真な状態になって活動が行われたようです。

プロレスのほうも、意外な裁判から法的に「台本アリ」と宣言
されてしまいました。そうだろうなとは思っていても、わざわざ
明言されてしまうと、なんとも。
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/836884.html

アメリカンプロレスの方は10年以上前に、選手がステロイドの使用で
健康を害した、と訴えを起こした時、シナリオの有無にも触れられて
有ると認めたうえで、そこからの巻き返しがあったという歴史です。
台本が有る、そのうえでも観客を楽しませる方法を模索していった
という形で。

□ kanaejun

>千本さま
詳細なフォローありがとうございます。

> モキュメンタリー
初めて知りました(うかつ)。ジャンル的にはこちらの言葉のほうが適切なようですね。

> 裁判から法的に「台本アリ」と宣言
無粋な・・・。イギリスあたりの裁判官ならもうちょっとウイットな言い回しにしそうです。
「妖精は実在する」とか判決に堂々と書きそうな国なので(偏見)。

※コメントの受付は終了しました。2014.5